近年,総合病院などでも医薬分業が進んできました.その理由として,薬剤部で入院患者さんだけでなく外来患者さんの分まで処理していると,膨大な処理能力が必要となり,入院患者さん向けのサービスの負担になってしまうという理由です.
病院は治療を行うためにあり,薬の処方に関しては処方箋を出して,院外の薬局さんに患者さんの処方薬の管理をしてもらおう,というのが医薬分業のメリットです.
ところが医薬分業したことで,意外なところで薬代が高くなってしまうケースが多発しています.
地域や薬局さんによって異なりますが,院内処方,院外処方では次のような仕組みになっています.まず各項目ごとに保険点数がつけられ,その10倍が保険金額(円)となり,実際払っているのはその3割または1割負担の金額を払っていることになります.
<表に書かれている用語解説>
◆処方箋料:院外処方箋の発行料
◆薬剤料:薬の代金.薬価基準で算定.
◆調剤基本料:薬局ごとに設定.取り扱う処方箋数や,特定の医療機関からの処方箋が占める比率に応じて3種類あります.
◆調剤料:調剤する薬の種類や量に応じて算定.
◆薬剤服用履歴管理・指導料:患者さんや薬剤服用歴に基づいた指導,記録管理する場合に算定.
◆服薬(特別)指導加算:患者さんや家族と対話して情報収集し,服薬指導した場合に加算.
◆調剤情報提供料:薬の説明書,お薬手帳への記載などの費用.
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感染症で抗生物質などの薬を6日間もらった場合 |
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項目 |
保険点数(点) |
保険金額(円) |
自己負担額(円・3割負担) |
院内処方 |
薬剤料 |
286 |
2,860 |
858 |
調剤料 |
9 |
90 |
27 |
処方料 |
42 |
420 |
126 |
調剤技術基本料 |
8 |
80 |
24 |
合計 |
345 |
3,450 |
1,035 |
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項目 |
保険点数(点) |
保険金額(円) |
自己負担額(円・3割負担) |
院外処方 |
処方箋料 |
68 |
680 |
204 |
薬剤料 |
286 |
2,860 |
858 |
調剤基本料 |
42 |
420 |
126 |
調剤料 |
30 |
300 |
90 |
薬剤服用履歴管理・指導料 |
22 |
220 |
66 |
服薬(特別)指導加算 |
22 |
220 |
66 |
薬剤情報提供料 |
15 |
150 |
45 |
合計 |
485 |
4,850 |
1,455 |
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筆者の'06年10月12日の薬代(620円) |
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項目 |
保険点数(点) |
保険金額(円) |
自己負担額(円・1割負担) |
院外処方 |
薬剤料 |
350 |
3,500 |
350 |
調剤基本料 |
42 |
420 |
42 |
調剤料 |
189 |
1,890 |
189 |
薬剤服用履歴管理・指導料 |
22 |
220 |
22 |
服薬(特別)指導加算 |
16 |
160 |
16 |
合計 |
619 |
6,190 |
619 |
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実際に筆者の場合の院外処方料を,表に照らし合わせて薬局の先生にどういう配分で金額が決まっているか教えてもらいました.それが3番目の赤い表です.
処方内容は,・トレドミン25mg 4錠/日 ・ハルシオン0.25mg 1錠/日 ・メイラックス1mg 1錠/日 ・プルゼニド12mg 2錠/日
処方日数は14日分で620円でした(本当は619円になるらしいんですが,再計算前に620円で清算してしまったので,1円くらいはいいやとなったのです).
表で見ると,薬剤料以外にもずいぶんと費用がかかっていることがお分かりいただけると思いますが,薬代を低価格に抑えることもできます.それがジェネリック医薬品の導入です.私の場合,薬局さんがジェネリックをそろえていないこともあって,ハルシオンや名ラックスなど新薬のままの高い薬剤料を払っています.ジェネリックが豊富な薬局さんに変更するか(自立支援法登録先も変更しなければなりませんから面倒ですね),薬局の先生に拝み倒してジェネリックを入れてもらうか...ですね.
なおジェネリック医薬品を取り入れることは,患者本人の意思で行ってくださいね.
ジェネリックを入れると薬剤料がどれくらい節約できるかは,次ページに資料を用意しますが,まずこの処方内容(院外処方)で,私の場合の薬剤料(純粋な薬代)はどれくらいを占めているかを,グラフで示します.
グラフ濃い青色が純粋な薬代になり,半分以上が薬代を占めていることになります.ここにジェネリック変更などすれば,またずいぶんと薬代が変わってきます.詳しくは次ページ,ジェネリックに関して,この純粋な「薬剤料」のみでブランド薬(新薬)とジェネリック薬との費用の違いを注目しようと思います.
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